YAHIRO LAB
にいみカレープロジェクト(カレーライス大作戦vol.2)について
私たちが住む新見(にいみ)市の特産品である千屋牛(ちやぎゅう)、ピオニーポーク、イノシシは非常に美味しく、市内外の方々から愛されてきました。
しかし、千屋牛などはA級グルメと称され、100gあたり1,000円~2,000円と非常に高級、高価です。それゆえに敬遠されてしまうことが多く、千屋牛やピオニーポークなどの美味しさをたくさんの方にお伝えできていないのが残念でなりません。
私たちヤヒロラボは、新見特産のお肉の美味しさを、できれば安く気軽に味わっていただく方法はないか考えました。
そして、カレーライス大作戦を実施しているヤヒロラボとしては、カレーライスとの組み合わせにこだわりました。
ご当地の高級牛肉を使用した「○○牛カレー」などがよくありますが、カレーのルーの中で高級肉を煮込んでしまうと、安い肉との美味しさの区別があまりつかなくなり、「もったいない!これなら普通の肉で十分」という意見を聞きます。
そこで、まずはカレーと肉のそれぞれの美味しさを十二分に味わえる食べ方を調査・研究しました。
結局、肉本来の味を損なわずにカレーを堪能することができ、かつ、カレーの美味しさを倍増させる食べ方は、単純にカレーライスに、焼いた千屋肉を数枚付け合わせることであるとわかりました。しかも、これならお手頃な値段に抑えることができます。
さらに、それを実現する食べ方は「ダムカレー方式」が最も適していることもわかりました。
従来のダムカレーはお皿の半分(ダムの減勢池の部分)には何も入っておらず(たまに福神漬で放水を表現)、ダムを崩しながら食べることが醍醐味です。例えば、ダムカレーのプレーン(スタンダード)は以下のような形式です。
私たちはダムカレーの何も入っていない部分に新見特産の肉(千屋牛、ピオニーポーク、シシ肉)の焼肉などを入れ、「にいみダムカレー」と名付けました。そして、それぞれの肉と最も相性の良いカレーの種類について調べ、以下の一覧表の通りの一応の結論に達しました。
カレーの区分は、新見市の代表的な5つのダム(ダムカードあり)の名前に由来しています。
にいみダムカレー一覧
千屋ダム(ちや):千屋牛焼肉×ビーフカレー
肉とカレーを分けることによって、千屋牛の脂のうまみを損なうことなく、肉の高級な味わいとカレーの辛さとのマッチングが絶妙です。千屋牛の良さは、少しだけ粗塩をつけていただくのが一番わかります。新見市の「金山のタレ」でいただくのも人気があります。
河本ダム(こうもと):ピオニーポーク焼肉×ポークカレー(わさびオリーブオイル)
ピオニーポークの甘さに合うカレーは、やはりポークカレーです。また、ポークやポークカレーのルーに「わさびオリーブオイル」をかけると何度でも食べたくなる、やみつきのカレーです。
小阪部ダム(おさかべ):イノシシソーセージ&ベーコン×ポークカレー(ニンニクごま油)
本来、イノシシ肉はクセがありますが、新見で販売されているソーセージやベーコンは優しい味で、シシ肉本来の味を楽しめます。ベーコンなどは塩気が強いので、甘めのポークカレーが一番合います。シシ肉のソーセージやベーコンは、ごま油とニンニクのたれをつけるとやみつきになり、おすすめです。
三室川ダム(みむろ):千屋牛丼×チキンカレー
Jリーグ・ファジアーノ岡山のスタジアムで、新見食肉さんが千屋牛丼のブースを出されています。初めて食べた時、千屋牛の脂の甘みが牛丼の個性を際立たせていると思いました。その印象を大切にして作り上げたのが、甘めに味付けをした千屋牛丼とスパイシーなチキンカレーの組み合わせです。もともと日本人の好きなカレー×牛丼なので美味しいに決まっているのですが、スパイシーチキンカレーとの組み合わせが一層やみつきにさせます。
高瀬川ダム(たかせ):千屋牛ホルモン×ビーフカレーまたはキーマカレー
岡山県北部はホルモンでも有名です。ホルモンには濃い目のビーフカレーやキーマカレーが大変合います。ホルモンは味にパンチがありますが、千屋牛のホルモンは甘味がとても強いので、味を主張するカレーをぶつけても喧嘩せず、両方の個性が際立ちながら、かつバランスの良いカレーとなります。
カレーは好きでも、カレーの中の野菜(人参など)を食べない子どもがいます。栄養を考え、基本的に野菜はミキサーにかけてできるだけ形をなくしてあります。ただ、じゃがいもは辛さ調節のためにつぶして食べる人もいますので、お好みで入れても良いと思います。
なお、岡山県には168ヶ所のダムがあり、1位の北海道(197ヶ所)に次いで全国2位です。3位の福岡県が124ヶ所ですから、岡山県はダムが非常に多い県と言えます。
ダム県の岡山で、新見の名物を安く美味しく食べることができる「にいみダムカレー」を広める「カレーライス大作戦」を、私たちは今後も継続していきます。
今後、お店との協力も必須ですが、各ご家庭で、「自分の家のカレーの味」で、このにいみダムカレーを食べていただき、子どもから大人まで万人に愛されるカレーに定着させていくことを目標とします。
追記:新見市の備北新聞の仲田芳人記者より「大佐ダム(おおさ)」の情報をいただき、絶品とされている「ピオーネの天ぷら」を「にいみダムカレー」に追加してはどうかというご助言をいただきました。今後、ピオーネの天ぷらに合うカレーの種類を研究し、6つ目のにいみダムカレーはフルーツカレー系としたいと思います。(2016年7月18日)